老人ホームで虐待 元職員4人を暴行の疑いで書類送検

母親への施設での暴行・虐待 地検は「…処罰するほどではない」不起訴処分に息子は怒り

2022年9月29日
RKK熊本放送 引用

老人ホームに入所していた女性に暴行を繰り返したとして書類送検された施設の元職員4人が不起訴処分となりました。

女性の次男は検察の処分に怒りを感じています。

これは、3年前に熊本市の有料老人ホームで撮影された映像です。

職員A「寝らなんたい!」

女性「おしっこします」

職員A「何回すればわかっとね!」

入所していた女性が施設で虐待されている疑いがあるため、女性の次男が固定カメラで撮影していました。

被害女性の次男
「あんな何人も1人じゃなくて寄ってたかって。当時者に対しては告発するしかない」

刑事告発を受け警察は、施設に入居していた女性をベッドに押し付けるなど7回にわたって暴行した疑いで今年 2022年2月、老人ホームに勤務していた男女4人を書類送検しました。

そして、今月9月26日熊本地方検察庁はこの4人を不起訴処分に。

検察から説明を受けた次男によりますと不起訴の理由は4人のうち3人が起訴猶予。「犯罪事実は明らかだが処罰するほどではない」という判断です。
(もう一人は嫌疑不十分)

被害女性の次男
「何で起訴にならないのか。腑に落ちない。このままだと母に何も言えない」

女性への暴行を巡っては2021年6月、民事裁判で施設側と和解が成立していて、次男の代理人弁護士によりますと民事裁判での和解が不起訴という判断に影響している可能性があるということです。

この処分を不服とし次男は検察の不起訴処分が適切だったかを審査する検察審査会に申し入れすることにしました。

被害女性の次男
「やれば罪になるんだということを示さないと」

ただ、今年の12月から来年 2023年1月に時効が迫っているため次男の代理人弁護士は手続きを急ぐ必要があるとしています。

■【不起訴】には主に「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の3種類がある。

●「嫌疑なし」は、犯罪の容疑自体がなかったという判断。証拠には犯罪を証明するものがなく、容疑者は無実であり、捜査が間違っていた可能性がある。

●「嫌疑不十分」は、裁判で有罪を立証する証拠を集められなかった場合など。

●「起訴猶予」は、証拠などによって有罪を立証することは可能だが、罪の軽重や容疑者の境遇、示談成立などを考慮し、検察官の判断で起訴をしない判断を下すこと。
 

老人ホームで虐待 元職員4人を暴行の疑いで書類送検

2022年2月25日
朝日新聞デジタル 引用

熊本市南区にあった老人ホーム「はなな」で元入所者の女性(94)が複数人の介護職員から虐待を受けたとされる問題で、熊本南署は24日、元職員の30~40代の男女4人を暴行の疑いで熊本地検に書類送検したと発表した。いずれも容疑を認めているという。

熊本南署によると、4人は2019年12月~20年1月、「はなな」に入所していた女性をベッドに押しつけたり、車いすをぶつけたりする暴行をした疑いがある。

この問題では、熊本市が20年12月、虐待があったと認定して業務改善命令を出した。昨年7月には女性の次男が同署に告発状を提出し、同署が捜査していた。